本のレビュー: レフ・グロスマンの『The Bright Sword』でキャメロットの騎士たちが新しい王を探す

リーダー不在の国家は、次期最高指導者を探して迷走しています。国の栄光の日々が過ぎ去ったという不安な感覚があり、歴史の大きな転機が来ることが確信されています。分断された、極端な国を統一するリーダーをどのように見つけるのでしょうか？

それがレフ・グロスマンの新刊小説『The Bright Sword』で描かれる不安定なアーサー王時代の世界です。物語はコラムという貧しい孤児から始まります。彼は虐待された家を逃げ出し、盗んだ鎧を身にまとってキャメロットに逃げ込み、アーサー王の円卓の騎士として仕えるという夢を持っています。ただ1つ問題があります。アーサー王は亡くなっています。

円卓のわずかな残りのメンバーには、次の王がだれであるか全く分かりません。クリアな統治権がない中でリーダーを探すというテーマは、小説に現代的な不安を与えています。すべての候補者に石から剣を引き抜かせればそれで済むなら、これほど簡単だったでしょうに？

時期を誤ったものの、コラムは円卓の残りのメンバーに加わるというクエストを進めています。キャメロットの夢、伝説の騎士たちの素晴らしい兄弟団の中で英雄になることができるという考えに全ての希望を寄せています。

しかし、この本のヒーローたちはほとんどが壊れた、苦い人々です。物語のかなりのアンサンブルキャスト全員に少しばかりの過去を振り返った章があり、アーサー王との過去が彼らがイングランドの未来にかけている希望をどのように形作ったかがうかがえます。

しかし、ほとんどのキャラクターは短いバックストーリー以外はあまり発展しておらず、騎士たちの中で本当に魅力的で記憶に残るキャラクターはほとんど出てきません。キャメロットの裁判所の中で最も興味深いメンバーは、強力な魔術師でかつてマーリンの弟子であったニムエです。彼女はかつての師であるマーリンについて最も褒めたたえるレビューを提供しません。

グロスマンのイングランドでは、王国の王座だけでなくそのアイデンティティのためにも対立する派閥が存在しています。これは、古代の妖精魔法が詰まった異教的なブリテンなのか、ただ1つの神に忠実なキリスト教的ブリテンなのかという国家の魂をめぐる戦いです。この国家の意味を創造していく探求は非常に力強いテーマですが、グロスマンは時々、キャラクターが神、政治、運命について重大な問題に思い悩む際につまらない独白に引きずられ過ぎることがあります。

最もスリリングなシーンは、キャラクターが行動に出る場面です。グロスマンの強みは、戦闘シーンの細部への深い注意で、それぞれの打撃や刺激がキャラクターの心理を明らかにしています。

コラムがどんな決闘にも投入する大胆さと絶望は、相手を打ち負かすだけでなく、盗み出したアイデンティティを証明するための戦いであることを示しています。彼が自分自身を英雄と証明できれば、彼の幼少期の苦しみには何らかの意味があるでしょう。

新しい王を見つけるクエストもまた意味を創造することについてです。国家には統一する考え方、たとえそれがフィクションであろうとも、必要です。

しかし、政治を理想化することも危険をもたらします。謎の霊は警告します。「いつか、帝国や玉座や王冠を愛するのは間違いだと気づくでしょう。なぜなら、それらのものは愛することができない。死しかできません」。